ベストアンサーに選ばれた回答

「悪い神様」という考えは適切ではない

祟り神は御霊信仰であり、神道の考え方です。神道は「アニミズム（精霊信仰）」の一種とされています。要するに、日本の神様はキリスト教の神様や悪魔のようなものではなく、西洋の概念で言えば妖精や精霊に近い存在です。強力な力を持つ者ではありますが、善悪はないのです。

「祟る」というのは「人間に不利益をもたらす」ということです。気性が荒い神様、また人間にとって厄介な性質を持つ神様などは、人間の視点から見て「祟り神」と呼ばれます。ですがこれは、単に人間にとってあまり都合がよろしくない側面を持つ、というだけの話です。

ですから、祟り神はあえて手厚く祀ることによって人間を守ってくれることが多いのです。例えば「牛頭大王」などは、本来は疫病をまき散らす神様でした。ですが手厚く祀られることによって、疫病から人を守ってくれる神様になりました。疫病をつかさどる存在を味方につけた、ということです。

平将門の場合は・・・

祟り神として最も有名なのは平将門ですね。
平将門が東京を守っているのには理由があります。

関東地方で反乱をおこして討死した平将門は、
死後、土地に強い執着を持つ祟り神になりました。

「平将門の怨念が東京を守っている」
というのは後世の有名小説の影響なんですけど、
実際に平将門は中世に怨霊として恐れられて
それを理由に神として祀られた経緯があります。

その後、戦国時代には軍神として崇拝され、
江戸時代になると風水における鬼門に配置されて、
江戸城を守る存在のひとつとされました。
その場所が今の神田明神なんです。

現在の東京はこの風水がまだしっかり生きています。
バランスを崩すような行為をしない限り、将門は
東京を守護する「守り神」として働くことでしょう。